

口元でなく全身で声を出そう――声の表現(1)
こんにちは。ビートワン代表の金沢寿一です。前回までは声質や滑舌などを中心に、主に表現以前の声の「機能的な部分」を中心にお話ししてきました。今回からは、声の表現についての重要な考え方を中心にお伝えしていきます。 全身を使って声を出すこと 「声の仕事」と考えると、どうしても口元に集中してしまいがちです。しかし、基本中の基本として意識しなければならないのは「全身を使って声を出す」ことだと私は考えています。これはナレーターに限ったことではありません。たとえば歌手においても、プロの方々は「全身を使って」声を出しています。 それでは、「全身を使って声を出す」とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか? 「全身を使って声を出す」ということを一般的に表現すると「『自分の体が楽器である』というイメージを持つ」ことになります。これは、自分の体を共鳴体のように使うということです。ここでいう「共鳴体」については、ギターやチェロのような楽器のボディーの部分をイメージしてください。 なお、これは解剖学的に正しい認識というわけではありません。表現するうえでのイメージの持ち


滑舌を良くするために――ナレーターにとっての「滑舌」とは?
こんにちは。ビートワン代表の金沢寿一です。今回は「滑舌」についてお話しします。 「滑舌」は、多くの方にとって悩みの種になりがちなテーマです。しかし、間違った意識のもとにトレーニングをしてしまうと、かえってマイナス効果が出てしまうことも多くあります。この記事では、ナレーターを目指す方はもちろん、それ以外の方にとっても重要な「滑舌」についての考え方をお伝えします。 どの程度の「滑舌」が必要なのか? 「滑舌」は、声を使う仕事をする人にとって大きなテーマです。しかし、ひと口に声を使う仕事といっても、俳優・アナウンサー・テレビタレントなど様々です。教師などもそこに含まれるでしょう。そして、必要とされる滑舌のレベルは、それぞれ異なっているのです。 ナレーターにとっての「滑舌」には、どの程度の「良さ」が求められるのでしょうか。ざっくり表現するならば、「一般の人が聞いて首をかしげるレベルではまずいが、違和感なく聞けるようならばそれで十分」だと私は考えています。「アプローチ」のクラスなどでは私はよく「ナレーター(=声の表現者)になるのであって、『滑舌の達人』になる


2017年冬期ワークショップ開催!
こんにちは。ナレーター事務所のビートワンです。 今回は、2017年冬期ワークショップ(公開講座)のお知らせです。 ビートワンの付属ナレータースクール「アプローチ」では、年に4回のワークショップを開催しています。次回(冬期ワークショップ)の開催は来月2月! ただいま参加者募集中です。 ワークショップには毎回、ナレーターを志望する幅広い年齢層の方が参加されています。キャリアもまちまちですが、どの方にとっても成長につながる機会となっていると感じます。 以下の動画は、2016年夏期ワークショップの様子です。 動画の中で金沢が話していることは、ナレーション表現の本質にかかわる非常に大切な内容ですが、抽象的でなかなかピンとこないという方も多いのではないでしょうか。 ワークショップでは、実践を通じてこれを理解していただきます。ぜひふるってご参加ください! ※参加申し込みは以下から ▶ ワークショップのお知らせのページ